8/03/2020

ブルネッレスキのクーポラ Cupola del Brunelleschi


フィレンツェと聞いて思い浮かべるのが、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のクーポラ(ドーム)がある風景ではないでしょうか。フィレンツェの街は建物の高さが規制されているので、天にそびえ立つこの聖堂のクーポラはフィレンツェの街のどこからでも見ることができます。


しかし、直径約45メートルのドラム(鼓胴壁)の上に、木製の仮枠を組まずにクーポラを建造するのですから、14世紀末からすでにクーポラの完成は困難を極めると考えられていました。


1418年にクーポラの模型コンクールが開かれ、ロレンツォ・ギベルティ、フィリッポ・ブルネッレスキ、ドナテッロらが応募しました。ブルネッレスキの案が採用され、1420年に建設を開始し、1436年8月、ついに巨大なクーポラが完成しました。木枠を組まずに作られた史上初のドームであり、建設当時世界最大でした。


そして、クーポラの頭頂部の壮麗な大理石製のランタン(頂塔)が完成したのは1461年のことです。ランタンの模型コンクールが開かれ、またしてもブルネッレスキが斬新なデザインによって競技を勝ち抜きました。1446年、彼が死去する数ヶ月前に建設が始まり、1461年にブルネッレスキの友人ミケロッツォによって完成しました。円錐形の屋根の上には、1468年にヴェロッキオによる大きな金色のブロンズ製の球体が、その3年後に十字架が設置されました。


このクーポラは、その桁外れの大きさによって評判となり、都市の偉大さを象徴する景観の中核になりました。クーポラはフィレンツェのどの場所からも見える宗教的で世俗的な権力の象徴であり、人々の心に壮麗な感動を引き起こしました。