ジョットの鐘楼は、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の脇に建設されている高さ84.7メートル、大聖堂と同じく赤、白、緑の大理石で作られているゴシック様式の鐘楼です。
大聖堂の最初の建築監督であるアルノルフォ・ディ・カンビオが1302年に亡くなり、30年以上の中断を経て、有名な画家のジョット・ディ・ボンドーネが1334年に彼の後継者に任命されました。彼が67歳の時でした。ジョットは、アルノルフォの構想にあった鐘楼の計画に専念し、すぐにその建築を開始しました。しかし、ジョットは基底部分(第1階層の下部分)の建築が済んだ時点(1337年)で死去し、以後は弟子のアンドレア・ピサーノ(第2階層まで)、1350年以降は聖堂の建築を指揮していたフランチェスコ・タレンティ(第3〜5階層)が引き継ぎました。1387年に塔は完成しましたが、当初計画された塔頂部の尖塔は造られませんでした。異なる年代の3人の建築家が建築に携わったため、階層ごとに様式が異なっています。鐘楼外壁の装飾はほとんどがコピーで、オリジナルは大聖堂付属美術館に収蔵されています。
ジョットの鐘楼の最上階の展望フロアは絶景の見晴台になっており、414段の階段で上ることができます。残念ながらエレベーターはありませんので、歩きやすい靴で頑張って上りましょう。階段の途中には踊り場(3箇所)もあるので、体力に自信がない方でも安心です。
鐘楼の上からは、フィレンツェ市内を一望できると共に、正面にドゥオーモのクーポラを望む事もできます。この景観を見るためだけでもフィレンツェを訪れる価値があるほど、その景観の素晴らしさには定評があります。