7/29/2020

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂 Cattedrale di Santa Maria del Fiore


フィレンツェの守護聖女レパラータに捧げられたサンタ・レパラータ聖堂ですが、聖堂の正面に向き合って建つサン・ジョヴァンニ洗礼堂が完成したことにより、「(急速な発展をとげた)フィレンツェにとっては小さすぎる」と判断され、1293年に「彫刻で飾られ、すべて大理石でつくられた」聖堂に再構築することが決定されました。


1296年、アルノルフォ・ディ・カンビオが建築監督に任命され、約1世紀後の1412年に「花の聖母マリア(サンタ・マリア・デル・フィオーレ)」に捧げられることになる新しい大聖堂の工事が開始されました。


しかし、1302年にアルノルフォが死去すると、建設はいったん中断しました。建築監督の後任として1334年にジョットが任命されましたが、彼は新しい聖堂よりも鐘楼の建設に力を注ぎました。彼もまた建設途中の1337年に死去しました。建築監督の地位はアンドレア・ピサーノに委ねられ、1351年にはフランチェスコ・タレンティに引き継がれました。フランチェスコ・タレンティは東端部を当初のものよりも拡張し、現在の形にしました。1375年までにサンタ・レパラータ聖堂は撤去され、1380年には大聖堂の身廊が完成し、1418年にはクーポラ(ドーム部分)を残すのみになりました。