シエーナは、トスカーナ州中部にある都市です。人口約53,000人のコムーネで、シエーナ県の県都です。
中世には金融業で栄えた有力都市国家で、13世紀から14世紀にかけて最盛期を迎えました。トスカーナ地方の覇権をフィレンツェと競い、またその経済力を背景として、ルネサンス期には芸術の中心地のひとつでした。中世の姿をとどめる旧市街は「シエーナ歴史地区」として世界遺産に登録されています。
シエーナの町を染めている色を「シエーナの土色(terra si Siena)」と呼びます。英和辞典で「sienna」という単語を調べてみると、顔料および色の名前として説明されています。特有の黄[赤]褐色で、カンポ広場をはじめ、市庁舎や政治・行政機関の建物の多くが、この色の煉瓦を使っています。さらに大多数の市民の家もこの色でできているので、高いところから俯瞰したり、遠望すると、感動を覚えます。派手さはありませんが、中世のシエーナ市民が祈念した市民の連帯の色がそこにはあります。
そして、その地味で控えめな建物が多いなかにあって、唯一白く輝いている華美な建物がドゥオーモ(司教座聖堂)です。
シエーナは、フィレンツェから南に約60kmの距離にあります。フィレンツェからは列車で約1時間45分、バスで約1時間15分で行くことができます。Siena Mobilità社がフィレンツェからの直行便バス(1310番)を運行しているのでおすすめです。