6/24/2020

ラヴェンナ Ravenna


ラヴェンナは、エミリア=ロマーニャ州にある人口約16万人のコムーネ(comune)で、ラヴェンナ県の県都です。


西ローマ帝国の末期にはここに宮廷があり、その帝国を滅したゴート族の王テオドリックもこの町を首都としてイタリアを支配し、反撃に出た東ローマ帝国のイタリアでの根拠地も、このラヴェンナでした。


今日残る聖堂や礼拝堂は、この繁栄の時代に西ローマ帝国の皇妹皇母ガッラ・プラキディア、東ゴート王国の王テオドリック、東ローマ帝国・ユスティニアヌス1世時代のラヴェンナ司教マクシミアヌスの活動によって建設されたもので、750年までに、この街には60以上の聖堂が建設されていたことが伝えられています。


8世紀末になるとラヴェンナは政治的重要性を失い急速に衰退したうえ、その後も歴史の表舞台に立つことはなく、経済活動も活発ではなかったので建て替えもほとんど行われず、そのため当時の建築・美術が豊富に残りました。


第一次世界大戦の際には、オーストリア軍の砲撃を受けてサンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂のファサードが破壊され、第二次世界大戦最中の1944年には空爆を受けるなど危機的状況にも遭いましたが、戦略上の重要性を持たなかったため、壊滅的な被害を受けることはありませんでした。


「ラヴェンナの初期キリスト教建築群」は、1996年にユネスコの世界遺産に登録されました。初期キリスト教モザイク画の傑作の数々が1500年経った今も色鮮やかに残っています。


写真は、サン・ヴィターレ聖堂の内陣です。