6/22/2020

サン・ピエトロ広場 Piazza San Pietro


サン・ピエトロ広場は、バチカン市国にあるカトリック教会の総本山、サン・ピエトロ大聖堂の正面にある楕円形の広場です。教皇アレクサンドル7世の命によりジャン・ロレンツォ・ベルニーニの設計で1656〜67年に11年の歳月をかけて建設されました。


幅240メートルもある巨大な楕円形の広場は、4列に並んだ284本のドーリア式円柱に囲まれ、柱の上の140体の聖人像が見守るように立ち並んでいます。すべての訪れた人たち(カトリック教徒だけでなく異教徒も)を包み込むような列柱廊には、「すべての教会の母であるサン・ピエトロは、母のように両腕を広げて受け入れる」というベルニーニの思いが込められています。


オベリスクと噴水の間の石畳には「centro del colonnat(円柱の中心)」というものが埋め込まれていて、このポイントの上に立ち柱廊を眺めると4列の柱がなんと1列に重なって見えるんです。これはベルニーニの演出で、「閉じられている(守られている)場所であり、同時に開かれている場所である」という不思議な空間になっています。