8/17/2020

アッカデミア美術館 Galleria dell'Accademia


フィレンツェの街でウフィツィ美術館に並ぶ人気を誇るアッカデミア美術館には、毎日世界中からミケランジェロの傑作《ダヴィデ》を見に来る人たちで溢れています。7点という世界最多のミケランジェロ作品を所蔵するため「ミケランジェロ美術館」というイメージも定着しています。


5メートルを超える大作《ダヴィデ》は、1873年に、シニョリーア広場のヴェッキオ宮殿前から、天候や歳月による損傷を防ぐという理由でこの美術館に移設されました(現在、広場にはコピーが置かれています)。《ダヴィデ》の前の細長い通路の両側には、「ノン・フィニート(未完成)」の《髭のある奴隷》《目覚める奴隷》《若い奴隷》《奴隷アトラス》の4体の奴隷が展示されています。これらは教皇ユリウス2世の墓碑のためにミケランジェロが制作していたものですが、未完のため結局墓碑には組み込まれませんでした。そのほか《パレストリーナのピエタ》《聖マタイ》などのミケランジェロの作品が並びます。


絵画では、ボッティチェッリの《聖母子、幼い洗礼者ヨハネと二天使》、ギルランダイオの《聖母子と聖フランチェスカ、マグダラのマリア》、フィリッピーノ・リッピの《十字架降下》など、13世紀から16世紀初頭にかけてフィレンツェ派の代表的な画家たちの作品が展示されています。


この美術館の発祥は、ロートリンゲン大公レオポルドの遺言によって1784年に創設されたアカデミーで、隣接していた美術学校の学生の勉強を目的に、様々な時代の絵画や彫刻などが収集され陳列されるようになりました。美術館の建物は、サン・マッテオ病院とサン・ニッコロ・ディ・カファッジョ修道院が改築されたものです。


アッカデミア美術館は、予約せずに来る観光客が長蛇の列となっているため、もしダヴィデ像などミケランジェロの作品を見るのであれば、事前に予約することをお勧めします。美術館の公式サイトで日時を指定して予約可能です。