7/20/2020

《慈悲の聖母》ベルナルド・ダッディ工房 《Madonna della Misericordia》Bernardo Daddi


ビガッロ美術館には、特別な意味をもつフレスコ画が残されています。これはその作品の一部で、そこには描かれた当時(1342年)のフィレンツェの景観図が描かれています。


そこには当時すでに有名なサン・ジョヴァンニ洗礼堂、パラッツォ・ヴェッキオ(パラッツォ・デッラ・シニョリーア)、そしてパディア・フィオレンティーナ聖堂の鐘楼が見られます。もちろん、ブルネッレスキのクーポラはまだなく、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のファサードは未完成で、ジョットの鐘楼も半分しか建っていません。アルノルフォ・ディ・カンビオの市壁に囲まれ、塔状の建物が立ち並んだ都市は、隆盛のさなかにあり、活力にあふれています。この時フィレンツェの人口は10万人を数え、パリの人口を上まわっていました(ロンドンの2倍、ローマの5倍)。


作品情報:Madonna della Misericordia, Bernardo Daddi, 1342, Museo del Bigallo